日帰り手術

大腸ポリープとは

「大腸ポリープ」とは病気の名前ではなく、大腸の管腔の中にみられる盛り上がった病変(隆起性病変)すべてを指す言葉です。
大腸ポリープは、大きく大腸がんなどの「腫瘍性ポリープ」と「それ以外の非腫瘍性ポリープ」に分けられます。

このうち「腫瘍性ポリープ」は、治療が必要になります。

大腸ポリープ(腫瘍性ポリープ)の治療

腫瘍性ポリープはさらに良性と悪性に分けられます。良性の腫瘍は『腺腫』と呼ばれ、悪性の腫瘍はすなわち『がん』です。

がんに対しては治療が必要だということに疑問を感じる人はいませんが、問題は腺腫です。大腸ポリープの80%以上はこの腺腫で、ある程度以上の大きな腺腫はがんになる一歩手前の状態(前がん病変)と考えられています。

ごく一部のケースを除き、ほとんどの大腸がんは腺腫から発生します。したがって腺腫のうちに内視鏡を用いて切除することは、その後に大腸がん発生と死亡率低下に寄与すると考えられています。

Q

腺腫はすべてがんになるのですか?

A

がん化する腺腫は一部と考えられていますが、どの腺腫が将来的にがんになるのかを判断することは困難です。現在わかっているのは、腺腫の大きさが10mmを越えると、急激にがんを含む可能性が高くなるということです。

日本では5mm以上の病変を切除の対象とするのが一般的ですが、5mm未満でも形がいびつな病変や陥凹している病変は切除します。

Q

大腸がんは予防できますか?

A

多くのがんは、定期的にがん健診を受けることで早期発見が可能になってきましたが、がんにならないように予防することは困難です。しかし大腸がんは、良性の腺腫の段階で切除することで未然に防ぐことができる数少ないがんであると言えます。
22年間の長期間にわたり、約9万人を追跡調査した米国の研究結果でも、大腸内視鏡検診を定期的に受けた人達では、大腸癌による死亡率が約70%減少したと報告されました。
近年、食習慣や生活習慣の欧米化により大腸がんが日本でも急増しています。大腸がんの予防・早期発見のために40歳を過ぎたら、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行うことをおすすめします。

日帰り大腸ポリープ切除について

大腸ポリープ切除の流れ

10mm未満のポリープの場合

内視鏡診断を行ったうえで、癌化の可能性が低い軽度異型腺腫と診断した病変は、コールドポリペクトミー(cold polypectomy)で切除をします。
非通電切除とも呼ばれ、欧米で主流になっている手術法です。高周波電源装置で通電せずにポリープを摘除します。
通電しないため、穿孔や術後出血などの偶発症をおこすリスクが低く、安全性の高い切除方法です。

10mm以上のポリープや悪性が疑われる場合

高周波電源装置を用いた通常のポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection:EMR)で焼灼切除をします。

コールドポリペクトミーの実例

①横行結腸に認められた5㎜大の病変です。

②NBI拡大観察により切除が必要な病変と診断しました。軽度異型腺腫であり、コールドポリペクトミーのよい適応病変です。

③周囲の正常な粘膜を含めて、過不足なく病変を切除します。

④切除後にNBI観察を行い、病変の遺残がないことを確認します。

⑤高流速で注水を行い、止血を確認します。

EMR(内視鏡的粘膜切除術)の実例

S状結腸に認められた8mm大の病変です。

NBI拡大観察により、EMRによる摘除が適切な病変と診断しました。

生理食塩水を注入し、病変と筋層の間にクッションをつくります。

病変の根元にスネアをかけます。

通電し、病変を切除します。

病変を回収し、切除面をクリップで閉鎖します。

手術の料金

 3割負担1割負担
内視鏡検査(観察のみ) ¥7,500~¥9,000 ¥2,500~¥3,000
ポリープ切除(1臓器) ¥21,000~¥24,000 ¥7,000~¥8,000
ポリープ切除(2臓器) ¥24,000~¥27,000 ¥8,000~¥9,000
ポリープ切除(3臓器以上) ¥27,000~¥30,000 ¥9,000~¥10,000

※上記金額は、内視鏡検査・治療のみの金額です。
初再診料やその他の検査代(血液検査等)、薬品代は含まれていませんので、ご了承ください。
あくまで概算の金額であり、使用する薬剤等により金額が前後することがございます。

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